古いPCの活用 USBデバイスサーバとして
前の記事PCに繋いだUSB機器を他のPCへ切り替えたいときに使えるソフトで紹介したソフトを利用して、使わなくなっていた古いネットブックが活用できました。
私が持っているネットブックはLenovoのIdeapad s9eという機種で、HDDが2.5inchのSATAなので交換可能&ExpressCardスロット搭載とかなり拡張性が高いのが特徴です。搭載されていたWindowsXPはとうに使えなくなってしまったので、現在はLubuntu17.10を入れました。
2009年の発売後すぐに買った覚えがあるので9年落ちです(;・∀・)
再利用する場合の古いPCの条件
私の独断ですが、以下のいずれかが満たされていればサーバとして利用できます。
①有線LANが付いている
無線LANよりも有線LANの方が安定稼働できます。
②USB3.0コネクタが付いている、もしくはExpressCardスロットがある
USB3.0のデバイスを利用できるので幅が拡がります。
③HDDをSSDに交換できる
高速NASとして利用できます。
準備
古いPCだとパフォーマンスが遅いので再利用しようと思っても遅くて結局使わなくなったということが多いので、強化できるところは強化しましょう。
HDDをSSDに換装する。
eMMCというタイプのものは換装できませんが、HDDであれば分解すればSSDに換装できる可能性があります。
拡張ポートがある場合
①USB3.0
USB3.0がある場合はかなり有利です。GigabitLANポートを増設したり、外付けのSSDを追加したりできます。
②ExpressCardスロット
ExpressCardスロットはあんまり流行らなかったので、知らない方もいらっしゃるかもしれませんが、転送速度の上限は2.5Gbpsまでという当時としてはかなり先を行ったものでした。USB3.0の5Gbpsの半分ですがUSB2.0の480Mbpsよりも5倍高速です。
ExpressCardスロットにUSB3.0変換カードを使います。
【参考】最大転送速度の比較
USB2.0(480Mbps)<ExpressCard(2.5Gbps)<USB3.0(5.0Gbps)<USB3.1(10Gbps)<Thunderbolt3(40Gbps)
まあ、実際は5倍は出ませんが、USB2.0より速いことは確かです。
Lubuntu18.04のインストール
使うPCのCPUが64bitか32bitかを確認してダウンロードします。ダウンロードした後はを参照してUSBメモリに書き込んでください。
媒体のダウンロード
64bit(AMD64)
最近は古いPCと言っても64bit対応のものが多いので、CPUを確認して選びます。間違えやすいCPUとしてはBaytrailのAtomZ3740、CherryTrailのAtomZ8350などはWindows10が32bitのことが多いのですが、CPUは64bitです。
32bit(Intel x86)
古いネットブックで使われていたAtomZ270などは32bitです。
インストール手順
Ubuntu18.04のインストール手順を参照してください。Ubuntuの手順になっていますが、Lubuntuでもほぼ一緒です。
VirtualHereServerのダウンロード
ここからは私がLenovoIdeapads9e(32bitPC)へVirtualHereServerを入れた手順を紹介します。
★注意★64bit版を使う場合は「vhusbdi386」を「vhusbdx86_64」に変更してください。
①32bit版をダウンロード
ダウンロードして実行権限を与えます。
wget https://www.virtualhere.com/sites/default/files/usbserver/vhusbdi386
chmod +x vhusbdi386
②手動で実行
まずは、動くかどうか確認しましょう。
sudo ./vhusbdi386
下記のように表示されたらクライアント側で接続できるか確認してください。
VirtualHere USB Server is running...press CTRL-C to stop
確認出来たらCtrl+Cを押して終了します。
③自動起動するように設定
サービスとして自動起動させたい場合は下記の手順で操作します。
(1)/usr/local/binにコピー
sudo cp vhusbdi386 /usr/local/bin
(2)unitファイルを作成
sudo nano /etc/systemd/system/virtualhere.service
以下の内容で作成します。
[Unit]
Description=VirtualHere USB Sharing
Requires=avahi-daemon.service
After=avahi-daemon.service
[Service]
ExecStartPre=/bin/sh -c 'logger VirtualHere settling...;sleep 1s;logger VirtualHere settled'
ExecStart=/usr/local/bin/vhusbdi386
Type=idle
[Install]
WantedBy=multi-user.target
(3)systemdへ登録
systemdへ登録します。
sudo systemctl daemon-reload
sudo systemctl enable virtualhere.service
sudo systemctl start virtualhere.service
(4)接続確認
再度、クライアント側から接続確認をしてください。接続出来たら設定は完了です。
おわりに
今回の記事では、古いPCの活用法の一例としてUSBデバイスサーバとして利用する方法を紹介しました。他にもNASとして利用する方法など沢山考えられますので、使わなくなったPCを復活させてみましょう。
Linuxについて詳しく知りたいと思った場合は下記の書籍が参考になります。