ポータブックXMC10にUbuntu18.04を入れる。【その②】

 前の記事ポータブックXMC10にUbuntu18.04を入れる。【その①】ではキングジムポータブックにUbuntu18.04を入れるところまでを紹介しました。しかし、まだポータブック固有の問題があります。その対処方法について紹介します。

 もくじ

対応できる問題

 カーネルパッチを行い、設定の対処を行うと下記の項目が解消できます。

キーボードで反応しないキーがある。

「_」「¥」「Fn」「無変換」「変換」の5つのキーが反応しません。

Bluetoothを認識しない

 ポータブックのBluetoothはRealtekのRTL8723BSというものなのですが、デフォルトの状態ではドライバが無いので使えません。

音が出ない

 CherryTrailのaudio機能が使えず、マイクもスピーカーも使えません。

サスペンドすると復帰後に固まる。

 サスペンドはできるのですが、復帰後に固まりキー入力を受け付けなくなります。(SSHでは操作できる。)

対応に必要なもの

 下記のものを用意する必要があります。

カスタムカーネル

 パッチはgithubにあります。パッチの当て方とビルドの方法はポータブック用カスタムカーネルのビルド手順【Ubuntu18.04版】を参照してください。

Bluetooth関連のパッケージ

 下記の英語のブログで公開されています。4.12.0と書いてありますが4.15~4.18まで動作確認しました。(4.19以降は不要になります。)

 rtl8723bt_4.12.0_amd64.debというdebパッケージが必要です。

Customizing Ubuntu ISOs: Documentation and examples of how to use 'isorespin.sh'

Githubのリポジトリ

 その他細かい設定ができるシェルを作成したのでそちらを利用してください。

 https://github.com/mongonta0716/portabook

適用手順

 カスタムカーネルはポータブック上でビルドするか、ビルドした母艦からコピーしてください。

①カスタムカーネルのインストール

下記のように実行してカスタムカーネルをインストールします。(カーネルのdebパッケージの名前は例です。)

sudo dpkg -i linux-headers-4.15.18-xmc10-custom-20181220001_001_amd64.deb
sudo dpkg -i linux-image-4.15.18-xmc10-custom-20181220001_001_amd64.deb

②rtl8723bt_4.12.0_amd64.debのインストール

 こちらもdpkgコマンドでインストールします。

sudo dpkg -i rtl8723bt_4.12.0_amd64.deb

③シェルの実行

 Githubから cloneして実行します。シェルの実行にはsudo権限が必要です。

git clone https://github.com/mongonta0716/portabook.git
cd portabook
./xmc10_setup.sh

④再起動

 再起動すると問題が解消されると思います。解消されていない方は「uname -r」でカスタムカーネルが適用されているか確認してください。

ビルド済みのカスタムカーネル

カスタムカーネルをビルドしている暇なんかないという方は、下記の私がビルドしたカーネル使ってみてください。
(★無保証です。)

 ソースは4.15.0-42をベースにしています。

長く使いたい方へ

 Ubuntuは一年に2回バージョンアップがあります。XX.04、XX.10というのがそれぞれ4月頃、10月頃にリリースされます。

 ですが、ポータブックはカスタムカーネルが必要なのでバージョンアップしてしまうとこの記事で解消した不具合が再び出るようになります。長く使いたい方はUbuntu18.04以上へアップデートしないで使用するといいでしょう。

おわりに

 他にも気になる点はありますが、致命傷ではなさそうなので修正していません。Ubuntu18.04が動くということは2023年4月までポータブックは使えるということなので頑張って使っていきましょう。バッテリーが先にもたなくなりそうですが、外付けで行けるはず!

キングジム ポータブック クロ XMC10

ポータブックXMC10にUbuntu18.04を入れる。【その②】” に対して3件のコメントがあります。

  1. hyotonic_state より:

    本サイトを参考にさせていただき、ポータブックに、SreneLinux Beta7 19Q4.6.6 (日付: 2020-01-29)を導入してカスタムカーネル導入が出来ました。
    カスタムカーネルが適用出来たので、導入後の色々な問題もクリア出来ました。
    ありがとうございました。

    SreneLinuxはとても軽くWebブラウザを立ち上げた状態でメモリ使用量が1GBです。

    この投稿もSreneLinuxのポータブックで行いました。

  2. go,yamauchi より:

    お世話になっております。ブログいつも楽しく読ませて頂いています。
    本ページ記載の「ビルド済みのカスタムカーネル」をダウンロードしようとしたのですが、

    invalid-file-type-deb
    と表示され、ダウンロードできませんでした。お手数で申し訳ないのですが、
    ファイルをGoogleドライブなどで共有頂く事はできませんでしょうか?
    どうぞよろしくお願いします。

  3. Akaki Takao より:

    ご迷惑をおかけし申し訳ありません。

    こちらのカーネルはUbuntu18.04用で古いので下記のz80oolongさんのGitHubに公開されているdebを利用した方が良いと思います。

    https://github.com/z80oolong/linux-kernel-mainline/releases

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